もっとよくばる人間であれ。起業半年後に、地元に拠点を構える決断をした「ラッキーブラザーズ」的 生き方、働き方、僕らの選択。 |株式会社Lucky Brothers & co. 田島 真悟(たじま しんご) 下津曲 浩(しもつまがり ひろし)

  • 2017/02/24

昨今の地方創生ブームに乗り、あちこちで地域おこしやUIJターンプロジェクトが増えています。
株式会社Lucky Brothers & co.の二人は鹿児島で生まれ、進学や就職のタイミングでそれぞれ東京に。社会人を数年経験した後、独立し、起業後半年で地元に拠点を構える決断します。その背景にはどのような思いがあったのでしょうか。それを紐解く鍵が、企業理念の「もっとよくばる」にありました。自社サービスのことはもちろん、二人の今後についてもたっぷりお話をお伺いしました。

まるで本物の兄弟のようにバランスのよい関係

co-ba: 今日は、よろしくお願いします。普段、Lucky Brothers & co.さんのことをラキブラと呼ばせて頂いているので、今日もそのように呼ばせてもらいますね!
それにしても、「Lucky Brothers & co.」という会社名はインパクトありますね。なんだかご利益ありそうな気がします。

田島さん:会社名に「Brothers」と入っているので、初対面の方からは間違いなく「兄弟なの?」って聞かれます。

co-ba: 二人ともメガネだし、たまに服装もかぶってたりしますよね(笑)
現在二人で活動されていますが、それぞれの役割は?

田島さん:弊社はWeb サービス・スマートフォンアプリの開発事業と受託制作事業の会社として、僕がエンジニアとデザイン、下津曲がディレクターを担当しています。制作に関わるものが全部僕で、お客さんのやりとりや事務処理など外側にある作業は全部下津曲がやっているイメージですね。そのおかげで、僕は社長であるにも関わらず、基本的に開発や制作に集中することができています。

co-ba: 仕事面でもそうですが、バランスが取れてますよね。

下津曲さん:よく言われますし、自分たちでも感じますね。

co-ba: 二人並んでいると安定感があるんですよ。声をかけるといつも笑顔で、話しやすいオーラがあるので、co-baにラキブラのファンも多いんじゃないかな。実際に今回のco-ba卒業が決まったときは、ほかの会員さんから「ラキブラのランチ会(送別会)しようよ」って声があがったんです。本当に愛されてますね。

記事用ランチ会写真_LB(2017年2月13日に行われたランチ会の様子。当日は会員の手作りケーキや元インターンからのお祝いムービー、親交の深い会社からサプライズプレゼントもあり、華やかな会になった。二人の人徳を垣間見た瞬間だった。)

 

手軽に楽しめるサクッとできるゲームが魅力

co-ba: ウェブサイトWorksに手がけた作品が載っていますね。ゲームを一通り体験したのですが、スロット系が多いんですね。

田島さん:僕が短い時間で手軽に楽しめるサクッとできるゲームが好きなので、その傾向はありますね。みんながオッとなるようなネタを交えてつくるのが得意です。

co-ba: ちょっとだけと思ってやり始めるものの、小ネタが多くて面白いので、手が止まらなくなってしまいました。個人的に好きなのは「THREE SIZE」です。

THREE SIZEスロットをまわしてバスト・ウェスト・ヒップのサイズを決めると、その体型に近い女性芸能人を紹介してくれる。次は何が出るかな〜と思って何回もやっていたら、途中、アントニオ猪木さんが出てきて思わず笑いました。

下津曲さん:他にも裏キャラが存在しますよ!ゲームだけじゃなくて、弊社のウェブサイトにもあちらこちらにちょっとした仕掛けがちりばめてられています。

co-ba: そういう遊びゴコロ満載なところ、ラキブラっぽくて素敵ですよね。ウェブサイトはネゴシックスさんの絵柄とマッチしていて見てて飽きません!二人もそっくりです。

Luckybrothers_HP素材(お笑い好きが高じて知り合いになったというネゴシックスさんに全てのイラスト制作をお願いしたというウェブサイト。TOPページには二人が描かれたイラストも!)

co-ba: co-baに入会してからリリースしたアプリゲーム「リバーシ2」についてもお話を聞かせてください。

下津曲さん:一般的なリバーシは相手の順番を待って交互に打っていくのがルールですが、リバーシ2は相手の手を待たずにひたすら打ち続けるゲームになっています。従来のターン要素を排除することで、スピード感と臨場感のある新感覚のゲームにしました。

co-ba: リリース後はco-ba shibuya内でちょっとしたブームになって、会員みんなで「今日は何点だった」「ランキング1位の人強すぎて敵わないわ〜」なんて熱中して遊んでました。
この「リバーシ2」は、会社設立後に二人で構想してできたものですか?

田島さん:これは以前から僕が前職の同僚と考えていたものがベースになってます。半分くらいはできてたんですけど、会社を設立してから完成まで持っていった感じですね。いまのところ利益にはなっていないのですが、たくさんの方に遊んで頂けており、追加機能も継続的に出し続けています。最近、英語対応もしました。

リバーシ2(スマホゲーム『リバーシ2』。ターン制を排除することによって、誰もが知っているリバーシがこれまでにないスピード感で楽しめるようになった。脳がフル回転する感覚が心地良くて癖になる。)

 

この相棒とだったら間違いなく面白い会社ができる。直感を信じて会社を辞めた。

co-ba: 今でこそ、あうんの呼吸の二人ですが、知り合ったきっかけは?

田島さん:僕たちは同じ鹿児島高専出身なんです。と言っても、2学年離れているので学生時代は全く関わりがありませんでした。なぜ知り合ったかというと、二人とも大学編入組なんです。僕が高専卒業した2年後に下津曲が千葉大学の編入学試験を受けることになった時に、試験対策のアドバイスをしてあげて欲しいと知り合いを通して繋がりました。

下津曲さん:大学編入組って学年の1割程度なんですよ。なので、受験対策の話を聞ける先輩が限られていて、その中の1人が田島だったんです。初めは試験の話をしていたんですけど、ウマが合うのかどんどん仲良くなってきて……。twitterとかskypeで頻繁にやりとりはしていましたね。僕ら、お笑いが大好きなのでその話で盛り上がっていました。

田島さん:そうだったね、なつかしい!
社会人になってからも、それこそ自作サービスを作ったら試遊してアドバイスし合ったりと相変わらず連絡取り合う仲でした。

co-ba: 仲良しですね!そこからどういう経緯で会社を立ち上げる流れになったんですか?

田島さん:最初は僕が一人で会社を起こそうとしていたんですよ。それで、いつも連絡を取るのと同じノリで「実は会社作ろうと思ってるんだ」と話しました。初め、下津曲は「へえ、そうなんだ〜」って反応だったんですけど、2日くらい経ってから突然「僕もやりたい!」って。

下津曲さん:当時僕はまだまだ社会人1年目だったので、これから会社でやっていくぞって気持ちでいたんですけど、田島が会社設立を考えていると聞いて心が揺らぎましたね。彼と一緒だったら、間違いなく面白そうなことができそうだって直感的に思ったんです。僕の言葉に田島は若干迷ったらしいんですけど、最終的にはOKしてくれました。

田島さん:その話が出たのは、今から1年前くらい(2016年2月)ですね。

co-ba: co-ba shibuyaに入会したのが2016年7月なので、会員歴も8ヶ月近くになりましたね。
今でも二人がco-baに来てくれた時のこと、鮮明に覚えてますよ。見学時は二人ともまだ会社勤めしていて、数ヶ月後に会社を立ち上げようとしている時期だったんですよね。
話し始めた時は緊張している様子でしたが、「これからどんな活動をしていくんですか?」って聞いた途端、目をキラキラさせて別人みたいに意気揚々と話し始めたのが印象的でした。「これから二人で起業して、新しいことに取り組んでいくことが楽しみで仕方がないんです!」と。その雰囲気がco-baのメンバー像とすごいマッチしているし、素直にこの二人のことを応援したいなって思ったんです。ラキブラの今後にco-baとしても私個人としても関わっていきたいと思ったから、co-baに入会を決めてくれた時はヨッシャ!って感じでした(笑)

田島さん:嬉しいです!実は、最初どこのコワーキングスペースに入ろうか迷っていたんですよ。なので、渋谷界隈のコワーキングスペース約10社を、価格・場所・雰囲気等でポイント制にしてチャートにしてみました。それらを比較した結果、co-ba shibuyaが総合的に一番でした。

下津曲さん:ちなみにこれが僕がラキブラとして最初にした仕事です!(笑)

co-ba: (スプレッドシートを見せてもらう)おお、これはすごく分かりやすい。渋谷エリアは、コワーキングスペースは本当に多種多様になってきたので、このデータを欲しがる人はたくさんいそうですね(笑)

下津曲さん:ニッチな人が入居しているかとか、メンバーの職種の傾向とか、オフィス写真の雰囲気の良さとかは重点的にみましたね。僕らがスタートアップということもあり、co-ba shibuyaは非常に始めやすい価格帯で助かりました。

田島さん:僕、ツクルバさんのビジョンがめちゃくちゃ好きなんです。5Fの会議室にあるポップアップに、コミュニティづくりの3段階は「copresence、communication、collabolation」だって書かれててハッとしました。これが、co-ba shibuyaが目指している姿なんだ、って。実際、毎月交流会やランチ会が行われていたり、個人本棚(co-ba library)を通して相手を知れるような、出会いを誘発するような仕組みが各所に散りばめられていてますよね。入った当初はそんなに気に留めてなかったんですけど、意識して考えてみると、改めてすごい良いところに入ったなと感謝しています。

co-ba: こちらこそ、二人は普段から交流会とかランチ会などイベントに顔を出してくれることも多いので、話す機会をたくさん持てて嬉しかったです。一見好青年の二人なんですけど、独特な趣味があるのもすごくツボで興味津々でした。

田島さん:下津曲はマニアックな趣味が多いですね。

下津曲さん:僕は学生時代、ラジオのテープ起こしとかしてました。誰に言われたわけでもないんですけど、単純に趣味でずっと続けていました(笑)

co-ba:相手に理解されるのを前提じゃない趣味を持っている人っていいですよね。自分の世界観を持ってる感じがして。そういう部分って会社にも反映するじゃないですか。ここだけは譲れない!というこだわりがある人のサービスの方が絶対面白い気がします。

 

LB_お笑いぽーず(上手に表情が作れないと照れ笑いしながらも、カメラを向けるとおどけたポーズ!二人の周りの雰囲気はいつも和やか。)

 

仕事、家族、暮らし……人生は選択だらけ。だけど、YESかNOじゃない選択肢だってある。僕らはもっとよくばった生き方をしていこうと決めた。

co-ba: これから地元・鹿児島で新たに拠点を作るとのことですが、会社設立の時からこの構想はあったんですか?

田島さん:いえ、最初から決まってはなかったですね。いずれ鹿児島にオフィスを構えることは決まっていましたが、どのように展開していくかまでは考えていませんでした。
僕らは最終的に鹿児島と東京の2拠点移住をしたいと考えています。co-ba入居当時は今後どういうふうに展開していくか、3つの選択肢で揺れていました。東京で会社を大きくしてから鹿児島に展開するか、反対に鹿児島で会社を大きくしてから東京に展開するか、はたまた2都市で会社を起こして並行に展開していくのか。
もし最初に東京で会社を大きくした場合、東京での採用活動がしにくいと思ったんです。いずれ鹿児島にオフィスを構えるとなると移転の可能性が高いので、鹿児島出身じゃない人にはコミットしにくいんですよね。そう考えると東京で土台を固めてから会社を拡大していくのってスムーズではない気がしたので、まずは地元である鹿児島に根を張ろうと決めました。そして、鹿児島で会社を成長させてから、2年後を目標に東京に支社をつくろうと思っています。地元に拠点を作る時期を早めることにしたのは、これが最大の理由ですね。

co-ba: なるほど!これは企業理念の「もっとよくばる」に通じるものがある気がしますね。

下津曲さん:そうですね。鹿児島には戻りたいけど、東京も捨て難い。でも、どちらかのために片方を捨てるのは違う気がして……
よくよく考えてみると、僕ら、複数を同時にしたいことが多いんですよね。
仕事も大事だけど負けないくらい家庭も大事にしていきたい、事業もweb制作だけじゃなくて自社サービスもバランスよくやっていきたい。最終的にどちらにも関わって生きていけばいいのね、というところに落ち着いて、企業理念を「もっとよくばる」にしました。

co-ba: 今回の移住にもそういう思いが込められているんですね。
Uターンといえば、二人はクリエイターの鹿児島市移住を目的とした「クリエイティブかごしまプロジェクト」の移住補助金制度を利用することに決まっています。

田島さん:2016年12月にco-ba shibuyaで開催されたイベントのおかげです。co-baスタッフの方に市役所の方を紹介してもらい、ご挨拶したのがきっかけでトントンと決まりました。

co-ba:鹿児島市としてもまさにラキブラのような会社を求めていたらしく、見ていて気持ちがいいくらい意気投合していましたね。もともと鹿児島にある「co-ba kagoshima」から、鹿児島県主催の移住促進イベントがco-ba shibuyaで実現したんです。

下津曲さん:地元に拠点を作ることを決めていた僕らにとって、またとないラッキーな出来事でした。 鹿児島では自社オフィスを構える予定なので、資金援助をしてもらえて、とても助かりました。

co-ba: さすがラッキーブラザーズ!
鹿児島移住後の働き方については、どのように考えていますか?

田島さん:東京で信頼できるクライアントとの関係もいくつかできたので、鹿児島にゼロから飛び込むよりも敷居が低いと感じています。最初1年間くらいは現在のクライアントと引き続きご一緒させていただきながら、徐々に鹿児島のクライアントとも繋がっていきたいな思っています。
あとは、採用活動にも力を入れていこうと思っています。母校である鹿児島高専や大学からの採用を増やしたいですね。というのも、鹿児島県って高専の県外就職率全国1位なんですよ。

co-ba: 県外就職率全国1位なんですか!それは知らなかったです!

下津曲さん:鹿児島の人はみんな地元が好きだって言うんですけど、有力な就職先が少ないので出ざるを得ない状況なんですよね。そういうのって、なんか悔しいじゃないですか。だから僕らは、ラキブラを鹿児島で筆頭になるくらいの企業にしたい。将来的に、高専の優秀な学生はラキブラに就職するという流れにできたら最高ですね。

田島さん:僕は、鹿児島県内で大型スーパーマーケット「A-Z(エーゼット)」を展開している株式会社マキオさんをモデルの1つにしています。鹿児島でどのように雇用を生み出すかを考えていらっしゃって、実際、若者よりも65歳以上の人を積極的に採用しているんですよ。これには痺れましたね。「雇用を生む」ってすごいことだよな、と感銘を受けました。

下津曲さん:そうそう。東京で会社を設立して約半年間経った今、「そうだ、僕らはもともと鹿児島で雇用をつくりたいんだ」ということに気が付きました。web制作を増やしていきたい反面、かなりスキルに依存する仕事なので出来る人が限られてしまう。そして、web制作だけでは事業が爆発的にのびないということをこの半年で痛感したので、「A-Z」のように、幅広い層に対して多くの雇用を創出しうる事業を作っていけたらと思っています。それこそ高齢者でも出来るような仕事で雇用を生んでいきたいです。
僕らが、鹿児島からサービスや新しいことをどんどん発信していきます!

co-ba:ラキブラのような魅力的な会社が増えることで、鹿児島県自体もどんどん盛り上がってきそうですね。今後が楽しみです!
今後は鹿児島に身を置いて活動していくということで、一旦co-ba shibuyaは卒業となります。これからはco-baの卒業生として、co-baとしても、ツクルバとしても、ラキブラのチャレンジをずっと応援し続けたいと思います。

田島さん:下津曲さん:ありがとうございます。いつでも鹿児島に遊びにきてください!


[Profile] 田島 真悟(たじま しんご) 下津曲 浩(しもつまがり ひろし)

株式会社Lucky Brothers & co.

Web サービス・スマートフォンアプリの開発事業及び受託制作事業。
【ブログ】https://blog.lucky-brothers.co.jp/
【メールマガジン】
http://us1.campaign-archive1.com/home/?u=2011831bc069993d6f5a9ec76&id=649e1630e9/
【公式サイト】http://lucky-brothers.co.jp/

田島 真悟(たじま しんご)
プログラマー/デザイナー
鹿児島高専・九州大学芸術工学部を経て、面白法人カヤックでエンジニアとして従事。特にCanvasやWebGLを使って人を驚かせるようなネタを考えて作ることを得意とし、『短い時間で手軽に楽しめるもの』をモットーとしている。自慢話として、ここ5年間ほど風邪や病気にかかったことがない。両親に感謝!

下津曲 浩(しもつまがり ひろし)
ディレクター
鹿児島県霧島市出身。大学時代にWebメディアを立ち上げ、その収益を元に暮らしていくことを画策するも、卒業を機に志半ばで断念。その後、編集者としてのキャリアの第一歩として、デジタルマーケティングを手掛ける大手Webプロダクションに新卒として入社。鹿児島県出身だが、焼酎が全く飲めないという痛恨の弱点を持つ。