MASAHIRO NAKAMURA

風景のリズム

最近、とあるテキスタイルデザイナーと出会った。

「模様を描いてるんです。心の模様だったり、風景の模様だったり。」

自分の仕事を語りながら、彼はそんなことを言った。

 

最近、「チームネット」という会社の20周年パーティがあった。

環境共生やコーポラティブといった価値観がまだ認知されていない頃から事業展開を行ってきたチームネットは、尊敬している会社の一つだ。

「コミュニティは風景に宿る。」

時間をかけて育まれてきた住民たちのコミュニティと、それを象徴する木々たちを語りながら、代表の甲斐徹郎さんは、20周年講演の最後のスライドを締めくくった。

 

最近、「木工房ようび」を応援するイベントを開催した。

数年前から交流を続けて、幾つかのプロジェクトで一緒に活動してきた木工房ようびは、岡山県西粟倉村を拠点にひのきを使って西洋家具をつくるという試みを続けている。その彼らの工房が、今年1月に火災で消失してしまった。今回はその応援イベントとして。西粟倉の皆さんも東京に来ていただき、東京のようびサポーターが集まるイベントになった。

やがて風景になるものづくり

彼らが目指すのは、家具をつくることで未来の森をつくること。「何があっても作り続けるしかない。」と、木工房ようび代表の大島正幸さんはそれが自分の天命のように話していた。

 

川の流れに川底が削られ、土砂が堆積するように、風景はつくられていく。風景と向き合うには、人間が把握できるリズムをちょっと越えた時間軸が必要なのかもしれない。

 

ツクルバはどんな「風景」になっていくだろうか。

8月で5周年。まだ5年である。

「風景」には程遠い。

 

「転職」を続ける旅

シームレスな日々のなかで、ときに創業したあの頃を思い出しつつも、前へと進み続ける。フェーズは変わり、変わらないものを持ち続けながらも組織は変わる。仲間が増えてあの頃に出来なかったことができるようになり、一方であの頃の空気感とは変わりゆくものもある。どんな変化があろうとも、常に自分たちのチームが好きで、そのなかで自らを壊しながら、先を創り続ける。

実は創業者というのは、会社をつくってから毎日「転職」し続けているのかもしれない。変化する環境を望み、そこに自分自身をアジャストしていく。そして、それは純粋に楽しい。

こんな旅路はなかなか経験できるものではない。だからこそ一度経験すると、この旅の虜になってしまうんです。

想像と創造の距離感

27日に行われたHEAD研究会フロンティアTFの連続シンポジウム第3回。ツバメアーキテクツ山道拓人がモデレーターを務める今回は、テーマ通りに想像と創造について考えさせられる良いイベントだった。ゲストは、東京の港区にてセルフビルドで「蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)」というビルを作り続ける岡啓輔さんと、7歳から空想の地図を描き続ける地理人こと今和泉隆行さんという、似て非なるお二人。

個人から湧き出るイマジネーションは、純粋であるがゆえにその人の人生がきれいに映りこむ。葛藤も開き直りも試行錯誤も投影されて形が立ちあらわれる。ゲスト二人の話から創造に潜むリアルさがびんびん伝わってきた。

アイレベルの目線で自分から発せられる創造をしながらも、どこかで俯瞰の目線で自分を含めた創造の全体を見ていたりもする。空間的、時間的広がりを想像して、それらの視点とアイレベルを行き来する、想像と創造の距離感。

メタにロックを楽しむこと

相方の村上がこんなニュース記事を共有してくれた。東京糸井重里事務所の上場についての記事である。
http://www.dhbr.net/articles/-/4050

糸井さんは面白いスタンスをつくられてるなぁと改めて思う。(※お会いしたことはありません。)ある側面では、マネーゲームの舞台となってしまっている市場に乗り込んで、本質的な「仕事」の在り方を説こうとしている。その一方で、「小さな湖」も批判している。それは井の中の蛙たちで繰り広げられるほとんど批判が存在しない、なま温かく気持ちのいい世界。つまり、二項対立的な2つのフィールドにそれぞれツッコミを入れて、それらと別のスタンスをつくろうとしてるのが面白い。これこそが糸井さんのいうメタにロックを楽しめるようになった、ということなんだろう。勝手にすごい共感する。

自分の文脈でいえば、「中村、建築やめるってよ」からの「これこそが今の時代の建築的スタンスのひとつなんじゃないか」と大口叩いてツクルバが生まれて、ありがたいことに仲間が集まって、「小さな湖」を越えて「海」に出ていったとする。けど、海に出て、角がすり減って、気がつけば硬直したただの大企業になってしまっていたとしたら、その「大航海」に何の意味があったんだろうか。たぶんそのときは僕の宣言の敗北のときだと思う。メタにロックを楽しもう。自戒の念を込めて。

「普段」という固形物

自分とトーンもリズムも違う生活をしている人と話す機会はなかなか無い。機会あって、とある街に関わりのある人が集まる会に参加したのだけど、同じ街に関わる人でもここまで違うのかと衝撃を受けた。情報を仕入れるルート、SNSなどを通じた個人的な発信の仕方、様々な側面での消費傾向、時間の使い方など、それぞれ重なるところが無いんじゃないのかというほどに距離があるのだ。もちろんその距離に大小はある。でも、いかに自分がフィルターのかかった生活範囲で普段過ごしているかを気付かされる良い機会だった。
たまには普段と違う知らない街を歩いてみる。食わず嫌いをせずに色んな情報に接してみる。そういう行動は少し意識していないと、たちまち日常から消えていってしまう。放っておくと自分の中でどんどん固まってしまう「普段」という固形物はちょっとこわい。

co-ba shibuyaは満4歳を迎えました。

昨夜はco-ba shibuyaの4周年パーティ。皆様のおかげで無事に満4歳を迎えました。

ツクルバメンバーやco-ba会員さん含めて屋台を出して、UQiYOさんにLIVEしてもらって(贅沢!)、こっそり僕も焼酎「なかむら」と泡盛「まさひろ」を鳥取のショウガすりおろしで割った「なかむらまさひろボンバー」を出して笑、co-baな皆さんと乾杯しました。

開業した2011年からは少しずつ時代は変わってきているのは確か。それを踏まえて、変わるもの、変わらないもの、それぞれを大切にco-baをアップデートしていきたいと思っています。各地のオーナーさんやそれぞれの会員さん、その周りの友人たち、それぞれの人生の1ページがco-baで交差しているということが、やはり今でも素敵だなと思います。

今や全国に10箇所を越えるco-baがありますが、そのなかでもco-ba shibuyaがあることで原点に立ち戻れます。初回のブログは記念すべきco-ba shibuyaの4周年から。これからもco-ba shibuyaをよろしくお願いします。

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