企画はco-ba事業部の荻野(以下:oggy)、空間デザインは、architecture室の松山(以下:mat)、サイン/グラフィックについてはcreative室の宍戸(以下:sho)が担当しました。
co-ba ebisuが開業するまでの工程は、それぞれの役割を持ちながらも、領域を超えてプロジェクトを進行できるところがツクルバの特徴でもあります。
そんな3人にお話を聞きました。
雪だるまができた日
3人は2018年10月にできたco-ba jinnanでもチームを組んでいました。その時からチームの信頼関係はできていたとのこと。それぞれの思いや進め方を知っている間柄。
co-ba ebisuプロジェクトはどのようにして進められていったのでしょうか。
oggy:細かいことは言わないようにしようって思ってました。最初の時はわけわかってなかったと思うんですけど、概念みたいなものをずっと語ってました。闇市とか(笑)
いろんな働き方が集まる場所にしたかった。サラリーマン、スタートアップ、クリエイターとかいろんな働き方がここにくると見えますよ。という世界観にしたかった。
sho:闇市の前は仏教の浄土や境内でしたね。マンダラもありましたよね(笑) oggyの言う概念はなんとなくわかる。けど、どういうことなんだろうという整理からはじまりました。
oggy:新しい概念を持ってきては、じゃあこれどういうことなんだろう。というキャッチボールが楽しかったですね。
mat:企画と並行して、収支との兼ね合いの中で個室をどれだけいっぱいつくれるかという話をしてたんだよね。でも、叶えたい概念ができていく中で個室じゃなくても良いのでは?という考えが生まれた。
oggy:そうですね。神南で初めて個室を作ったんですが、個室の人がどんどんフリー席に出てこなくなった。出づらくなったという声があった。コワーキングのいいところって、なんとなく隣にいる人の温度感がわかるとか、こんな人がいるんだという空気感を感じることだと思ってたんですが、そこが見えなくなってしまった。
今回のコンセプトはいろんな人たちの働き方が見られます。ということだったから本当のコワーキングが体現できる。個室は最低限でいいよねという考えがあった。
mat:概念に対して、わからない部分は必要な空間や意味を毎度毎度聞いてたね。 そこから対話を繰り返していく中で、街・商店街というワードがいつの間にか出てきて。より共通イメージができてきた。
sho:街の中で働く人たちがいっぱい集まるから、空間を街に見立てる。商店が立ち並ぶ様相を作り上げていくとコンセプトとも繋がるし、働く空間としても成立するんじゃないか。みたいなのが僕の中では結構大きくて、サインに落とす時の一つの軸として考えたところ。だったらこういうイベントもあっていいよねという話がそのあたりから起こりはじめましたね。
oggy:そこから一気に進みましたね。企画したことが、関わる人の力で雪だるま式に大きくなって、枠を超えたと思う瞬間がありましたね。その時、僕も仕事も解放されたなと思いました。
sho:matさんから、カスタム性をどこまで担保させるか。個室が動かせるとか、小さい個室を作ってそれを連結して広げていくという話もあったり。そんなにカスタムさせる?みたいな話とかもありましたね。
mat:カスタム性については、それって価値になるのかな?という話もしたよね。実際に、使ってもらえるようにするにはどうすればいいか話したり、目的を整理しながら、今のカタチができた。個室は開けたり閉じたりできるようにすることで、利用者に選択肢を与えて、外と内の境界が曖昧になるようにできたと思う。
やりたいこと、やるべきことの真意を追求し、整理していく。キャッチボールはかなりの量になったとのこと。oggyが持ってきた概念というボールにアイディアを付加し、雪だるまのように大きな玉ができたんですね。
空間を街に見立てる
oggy:恵比寿という街は、サラリーマンや、ベビーカーを押している人や子供連れの人もいて、ともすれば、金髪のスタイリッシュなお兄さんや腰を曲げたお婆さんが横断歩道ですれ違ったりして多様ですよね。そんな風にいろんな人が一堂に会する場所をつくりたかった。
カスタム個室もあれば、プライベート個室もある、フリー席もモードによって場所が選べる。いくつか種類を作ることでいろんな人の居場所をつくれるようにしたかった。
sho:ワークスペースであるようでワークスペースでない。働くの軸だけじゃないんですよね。人と話たり、コミュニティを構築できる居場所になる。いろんな使い方ができるようになってますよね。
mat:街というワードが出てきて、商店街という見せ方ができた。いつ来ても、いつ出ていってもいい。職場以外の身近な環境に捉えてくるといいなと思っている。
mat:のれんも最初はプレートだったよね。
sho:コワーキングという出入りが激しい環境の中で、この場所にいたことを思い出せるものっていいよねという話をしていて、残るものってなんだろうってことを考えていた。
仕事をするスイッチを入れるイメージとしてのれんが出てきた。商店が立ち並ぶというイメージにもあっていて「のれん」はすごくしっくりきましたよね。
共通のワードができてからのアウトプットは早かったそうです。それまでの思考の過程を見ていたからこそ、迷わずに進められたのかもしれません。設計者やデザイナーが企画の過程に携わるメリットの1つですね。
自分の仕事の領域を解放する
sho:役割を超えることによって自分の役割に返ってくるということがよく起こる。例えばデザインだけをやることではなくて、コンセプトの部分に入っていったり、空間に対しての意味や使い方に対してあるべきものができてきたり、アウトプットこういう風にして見ようかなと考えたり。
みんなもあったと思う。こういうアウトプットが出てきたから、こういうこともできるんじゃない?と新しく生まれるということは結構起きていた。
mat:企画に近しいことはずっとやっていたし。企画が決まってきて、どうアウトプットするかという話の時は、お互いに言いたいことを言いながら、それは違うよね、こっちの方がいいよねという話をしながら作っていった。専門の違いによる言語や考え方が通じないということはなかったかな。
どんな空間にしたいんだっけという話に立ち返って考えて、だったらこういうものがあった方がいいんじゃない?という話もあったりして。みんな当事者意識があったので、自分の業務範囲を終えて、あとはよろしく。ということはなかった。
shoくんと会話をする時に、なんでここにはないんだっけ?なんでここにつけるんだっけ?なんでなんではよくやってたよね(笑)
sho:それはポイントだった。考えきれてなかった部分が見えてきたり、そこにちゃんと意味を持たせようという考えるきっかけになった。
oggy:全部のポイントに意味や理由がありますよね。
sho:社内チームなので、コミュニケーションが円滑にとりやすかったのもよかった。ブラッシュアップするスピードが早くなっていった。
oggy:企画の密度が高くて、ここにしかない働き方をかなり考えられたと思う。
企画者として、デザイナーとして、設計者として。それぞれの役割を持ちながらも、領域を超えてプロジェクトに関わることができる。というのはそれぞれに良い刺激を与えているなと感じました。
自分の働き方について考えた時に、なんとなく作っていた見えない境界があるかもしれません。それを解放した時、あなたが働きたい場所はどんな環境ですか?
それではまた、恵比寿でお会いしましょう。
co-ba ebisu
全国各地に広がる「あらゆるチャレンジを応援する」をコンセプトにしたシェアードワークプレイス。co-ba ebisuは、「働き方改革」が叫ばれる中、企業側ではなく、働き手が自らのイニシアチブで自由に働き方を選べる『 #働き方解放区 』を目指します。
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