人と情報のクロスポイント(後編)――企業と共にアップロードしていくオフィス空間

2018.12.12 MON
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外資系ラグジュアリーブランドを中心としたECサイトの構築から運用、オンラインマーケティングまで、ワンストップサービスを展開している「ルビー・グループ」の新オフィスの内装設計を「tsukuruba studios」が担当した。後編となる今回は、完成したオフィスの全容をご紹介する。

「人と情報のクロスポイント」

『オフィスは企業の文化を体感できる場所である』

会議などの必然的なコミュニケーションと、プロジェクトの進捗状況などが自ずとキャッチアップでき、偶発的なコミュニケーションが自然と会話が生まれる「人と情報のクロスポイント」をコンセプトとした。

エントランス

コーポレートブランドを体現するエントランスとする為に、同社の社名でもある鉱物の「ルビー」を連想しやすい「採掘場の岩肌」をキーデザインとした。

入口正面の壁には折板状の造作壁を採用している。

繊維をキーマテリアルとした前オフィスのデザインを更新しつつ、木を基調としたカラートーンを踏襲することで前オフィスとの接点となるよう試みた。

また、コンセプトである「人と情報のクロスポイント」は、コーポレートカラーの赤い線が壁面を分岐し、結合することで視覚的に表現した。

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ラウンジエリア

ラウンジ部分の天井仕上材のみを撤去することで圧迫感を軽減させ、エントランスの世界観との切り替えを図っている。

奥にはハイカウンターを設け、ゲストを迎えるスペースとした。

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ソファー席の背面には同社の企業理念である『DIGITAL SOLUTIONS FOR LUXURY BRANDS』のサインを取付け、社内のメンバーが日常的に企業理念に触れる機会を増やした。

また、採用活動など同社を説明する際にフォトスポットとしても活用できるようにしている。

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会議エリア

裁断の仕方によって出来上がる洋服が異なるように、木毛セメント板をパネル状、ボーダー状とパターンを変化させ、部屋ごとに特色を持たせた。

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社内向けの会議室はコーポレートカラーに寄せた色調とし、木を基調とした壁面にはコーポレートロゴに用いられている斜線を取り入れた。

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一体感のあるオフィスを作るために

執務エリアでは、島状配置のデスクレイアウトや、オープンなスタンディングミーティング、大人数を集約できるラウンジなど、アクティビティに応じて場所を選べるようにした。

各個人の状況やプロジェクト情報を視覚的に確認出来るようにすることで、メンバー同士の気づきが増え、コミュニケーションがより活性化することを目的としている。

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様々な視点から組織規模や時々の課題に合わせてオフィスをアップデートしてゆき、組織の目指す理想の働き方が提供できるよう、今後も尽力していきたい。

後日談だが、同社のご厚意で新オフィスのお披露目会に招待頂き、実際に利用している様子を窺う機会があった。

お披露目会はラウンジで行われていたのだが、想像していた以上にメンバーの方々が使い方をカスタマイズし、オフィスを自ら更新している様子が窺えた。 人と環境が共にアップデートされ、同社にとって愛着のあるオフィスとなることを願っている。

Text by
Junichiro Tamura, Daiki Nakatsuka