Clear

WORKPLACE 300.97㎡ / 2022年3月 / 東京都渋谷区 / 株式会社Clear
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ラフコミュニケーションを醸成させるワークプレイス

「日本酒の未来をつくる」をヴィジョンに掲げ、自社ブランドの日本酒を展開するClear社の移転プロジェクト。
リモートワーク推奨ではあるものの、移転を機に社員が集まりたくなるオフィスを築きたいという目的から、コミュニケーションの活性化を促し、社員の働く環境のアップグレードを設計の軸に考えた。
今後更なる成長を目指すClear社にとって、日本酒との強い関係性が空間に落とし込まれたオフィスで、コミュニケーションが醸成されていくことを目指したデザインとしている。

平面計画では、ワークスペースとラウンジを明確に区分けして「働く」と「交流」を2極化させることで、相互環境に影響が及ばないようにした。
働く場は、眺望の抜けた明るい場所に配置し、業務に専念できる環境を築いた。
交流の場は、社内コミュニケーション誘発の場として2つのラウンジを考えている。

ひとつが「角打ちラウンジ」と称したラウンジスペースである。
自社のオリジナル商品が冷蔵ショーケースに陳列される前には、少し窮屈にベンチやテーブルを並べ、酒屋の角打ちのような場を演出している。
日中はPC片手にカジュアルミーティングを、夜になれば日本酒片手にラフコミュニケーションを取るような、多様な交流シーンを狙っている。

もうひとつが、日本酒開発の場ともなる「LABラウンジ」である。
ここは、角打ちラウンジの賑わいとは対照的に落ち着いたコミュニケーションを図る場として、洗練と浄化(濾過)を意識したデザインとし、シワ加工を施した和紙を壁・天井に貼り上げた。

オフィス全体のデザインコンセプトとして、日本酒をつくる工程にある、白い泡状の白濁したものが透き通ったクリアなものへ変化していく様から、グラデーションをテーマとしている。
エントランスは、版築左官で粒度と色味の変化、オフィス内の壁面や家具はガラスフィルム貼りや塗装のグラデーション、LABのメインカウンター脚部は和紙染めとシワ加工の粗さにより階調を表現することで、日本酒の製造過程の一コマを表現している。

Design
Toshihisa Matsuyama
Project management
Toshihisa Matsuyama