株式会社ツクルバ(本社:東京都目黒区、代表取締役CEO:村上 浩輝、以下ツクルバ)と株式会社丸井グループ(本社:東京都中野区、代表取締役社長:青井 浩、以下丸井グループ)は、両社の共創事業として2022年6月にオープンしたワークラウンジ付きコミュニティ型リノベーション賃貸マンションブランド「co-coono(コクーノ上北沢)」について、国士舘大学 朝吹香菜子研究室(朝吹香菜子准教授および学生3名)の協力を得て、リノベーションによる脱炭素効果を評価しました。
その結果、既存建物を同規模の新築に建替えた場合と比較し、既存建物解体~建設段階におけるCO₂排出の84%および廃棄物排出の96%を削減することが確認できました(※1)。
■調査結果の概要について
「co-coono(コクーノ)上北沢」の既存建物解体・設計監理・資材製造・建設段階におけるCO₂排出量の削減は、約544tとなり、これは杉の木約62,000本が1年間に吸収する量(※2)と同程度で、杉林約62ヘクタール分、東京ドーム約13個分(※3)に相当します。
当物件のプライベートレジデンス(2~4F)では、既存建物の仕上や設備の一部を補修・クリーニングなどを行い、リノベーション後も使用(以下、再使用)しております。その結果、プライベートレジデンスにおけるリノベーション後の内装・建具・設備の資材量に対する再使用の割合は79%(重量ベース)となり、躯体の再使用に加え、仕上や設備における再使用割合の高さが、CO₂排出量や廃棄物排出量の削減率向上に繋がりました。
また運用段階については、当物件の共用部およびシェアレジデンス、ワークラウンジの電力は、再生可能エネルギーでまかなわれており、年間電力使用量は33,200kwhを想定されることから、CO₂排出量は年間約14.4t(※4)の削減見込みです。さらに、太陽光パネルでの自家発電に加え、株式会社UPDATERの「みんな電力」を採用し、入居者にも加入いただくことで、再生可能エネルギー電力100%をめざしております。
今回の取り組みにより、リノベーションや再生可能エネルギーの利用が脱炭素社会におけるソリューション提案の一つとなり得ることがわかりました。今後も、「co-coono」ブランドや中古リノベーション不動産の流通の促進を通してCO₂排出量や廃棄物排出量を削減することで脱炭素社会実現に寄与してまいります。
▼対象物件
1993年に竣工した社員寮(東京都杉並区、延べ床面積:572.23㎡、規模・構造:地上5階建て・RC造、用途:寄宿舎)を一棟リノベーションした、ワークラウンジ付きコミュニティ型リノベーション賃貸マンション
▼リノベーションによるCO₂排出量および廃棄物排出量の削減効果(1棟)
■取り組みの背景について
気候変動による環境破壊という喫緊の課題に対し、私たちは「co-coono」というブランドを通して、建物のリノベーションによって住まいをサステナブルに、次の世代へつなぎ、持続可能で環境にやさしいストック活用型社会への転換をめざしています。
取り組みを加速していくために、削減効果を見える化し、発信していくことで社会に共感の輪を広げていくことが必要だと考え、今回の実証結果の発表に至りました。
■調査メンバーからのコメント
・国士舘大学 朝吹香菜子准教授
「既存建物の部材一つひとつについて、修繕などにより使い続けられるかを丁寧に検討したことが、CO₂排出量削減率のさらなる向上につながっており、このサステナブルな取り組みの今後の展開に期待いたします。」
・国士舘大学 朝吹香菜子研究室学生
「今回の研究に携わることができてとても嬉しいです。リノベーション事業には、環境・コスト面等複合的に魅力があると感じます。その魅力を持ったco-coonoにはニーズがあり、これから先そのニーズが高まって行くのではないかと、研究に携わる中で感じました。この研究結果が今後の新たなプロジェクトのきっかけになればと思います。」
<国士舘大学 朝吹香菜子准教授プロフィール>
2002年、東京大学工学部建築学科卒業。2007年、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。国土交通省技官を経て、現在、国士舘大学准教授。建築における資源循環や、建物の改修・解体に伴う環境負荷などを研究している。『図表でわかる建築生産リファレンス』(彰国社)など執筆(共著)。
(※1)既存建物解体・設計監理・資材製造・建設段階におけるCO₂排出量と既存建物解体・建設段階における廃棄物排出量の比較「co-coono」 出典:『co-coono上北沢における二酸化炭素排出量および廃棄物排出量の削減効果』(okos・国士舘大学 朝吹香菜子研究室)
(※2)適切に手入れされている36~40年生のスギ人工林1ヘクタール(1,000本の立木)が1年間に吸収する二酸化炭素の量を約8.8トンと推定(林野庁試算)
(※3)東京ドーム(建物全体)は4.67ヘクタール
(※4)想定使用量×排出係数(環境省公表値0.000433t-CO₂/kWh)で算出
(※5)評価は、既存建物及びリノベーションの竣工図面、見積書から資材の種類・物量を算出し、一般社団法人日本建築学会が公開する「一般建築物用LCAツールVer5.01」を用いてCO₂排出量を算出
(なお集合住宅は非常に多種類の資材で構成されるため、物量が小さくCO₂排出量の少ない資材は入力を省略し、外構・植栽は評価対象外とした)
(※6)評価は、既存建物の図面およびリノベーション工事の廃棄物実績を用いて、建物本体に由来する廃棄物の種類・物量を算出
■「co-coono上北沢」について
ツクルバと丸井グループとの共創により誕生した「co-coono」は、「一人暮らしの時間をあなたらしくする、住むことで自分らしいチャレンジができる賃貸住宅」というコンセプトのもと、おもにZ世代と呼ばれる若い世代をターゲットにした、ワークラウンジ付きコミュニティ型リノベーション賃貸マンションです。
▼ 物件概要
物 件 名 :「co-coono(コクーノ)上北沢」
所 在 地 :〒168-0074 東京都杉並区上高井戸3-1-3
アクセス :京王線「上北沢駅」徒歩6分
構 造 :鉄筋コンクリート造
規 模 :地上5階建て
総 戸 数 :19戸(1R:14戸、シェアハウス:5戸)
間 取 り :1R…19.31~22.22㎡
シェアハウス…7.12~12.40㎡
家賃 :54,000円~73,000円
共益費 :7,000円~9,000円
ワークラウンジ利用料:(税込)2,200円/月
デザイン監修:株式会社ツクルバ
施工 :株式会社エイムクリエイツ
管理会社 :株式会社マルイホームサービス
コワーキング運営:株式会社okos・株式会社ツクルバ
「プライベートレジデンス」(1R:19.31~22.22㎡)
人とシェアする時間だけでなく、自分と向き合う時間も大切にしたい方向けに、専有部として1Rのプライベート空間を確保。専用部内にトイレ・シャワー・キッチンが用意されております。
「シェアレジデンス」(7.12~12.40㎡)
生活空間も隣人とシェアしたい方向けに、専有部の設備は最小限にしつつ、隣人とリラックスして過ごせる共用部を併設しております。
「ワークラウンジ」
「意思を持った多様な仲間たちとのちょうど良い距離感のつながり」を生み出すワークスペースです。
▼ 詳細・お申し込みはこちら
https://co-coono.com
▼ co-coono
インスタグラム: https://www.instagram.com/co_coono
Twitter: https://twitter.com/co_coono
▼ マルイホームサービス
https://www.marui-hs.co.jp/
▼ 丸井グループ
https://www.0101maruigroup.co.jp/